セブンイレブンに学ぶ、勝ち続けるスタートアップの作り方 〜①単品管理とリーンスタートアップ〜

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コンビニの売り上げ、初の現象に

統計を公表するようになって初めて、コンビニ全体で売り上げが昨年比でマイナスになったそうです。長引くデフレの中にあっても苦しむスーパーや百貨店とは対照的にコンビニ各社はしっかりと成長を続けてきたわけですが、ここに来ていよいよその伸びが鈍化せざるを得ない本当に難しい局面を迎えているということでしょうか。

しかし、そんな中で唯一、昨対比でプラスを維持しているのがセブンイレブンです。様々なニュースや書籍でセブンイレブンの強さに関しては語られてきていますが、セブンイレブンの強さを何よりも示すのが下記の店舗平均の日販売り上げですね。上位三社の数字を比較してみると

1位 セブンイレブン:68万2000円
2位 ローソン:55万8000円
3位 ファミマ:53万7000円

(※成長鈍化のコンビニ 上位と下位の差拡大 淘汰再編の可能性も|msn産経ニュース

2位のローソンとは実に13万円もの差が開いています。月間の差ではなく、あくまでデイリーの売り上げでこれだけ差が離れているのですから圧倒的な強さが伺えますね。最近では「金の食パン」などのプライベートブランド(PB)や店舗によっては毎朝行列ができるセブンカフェがなどが話題にあがりますが、色々調べてみるとセブンイレブンの強さの秘訣には我々の業界でも大いに学ぶべき”哲学”や”仕組み”といった普遍的な強さがありました。

言わばセブンイレブンは1,800万のDAUと日々コミュニケーションをし、データを蓄積しながら成長し、勝ち続けている超優良サービスです。ここから学ばない手は無いでしょう。そこで本を読んだりネットで調べたり、そして時には元店長さんや業界の人にヒヤリングして学んだことをコツコツとアウトプットしていこうと思います。もちろん強さの秘密はコレです、と簡単に紹介できる一つの戦略・戦術があるわけではなく、いくつもの戦略・戦術や哲学、仕組みが掛け合わせって今のコンビニ業界一人勝ちが成り立っていると考えます。そこで、一つひとつひも解きながら、我々が取り入れられるエッセンスを考察していきます。

単品管理とリーンスタートアップ

IT業界に専攻があるとしたら、私はここしばらくは「実践リーンスタートアップ」でした。「リーンスタートアップ」はエリックリースがトヨタ生産方式などの「無駄を省く生産プロセス」などのコンセプトを自社サービスの構築に取り入れ、その科学的アプローチを体系化したもの、と言えば良いでしょうか。2012年に日本でも彼の著書が発売されるとかなり話題になりましたね。今でいう「グロースハック」的な感じで。
(※エリック・リース曰くリーン・スタートアップはトヨタから学んだマネージメント|Tech Crunch Japan

ただ、リーンスタートアップは一過性のムーブメントではなく、そのコンセプトやアプローチはことスタートアップ業界においては”大前提”であるべきだと思います。実践を含めたシンプルなまとめはこちらのスライドを参照頂けると嬉しかったりします。

さて、実はこのリーンスタートアップの根幹をなすコンセプトとセブンイレブンの強さがつながるわけですが、その前に下記の図をご覧ください。

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Built(構築する)→Mesure(計測する)→Learn(学ぶ)このフィードバックループ(以下BMLループ)をいかに高速に繰り返すか、これが無駄無く誰も望まないものを作るリスクを避ける最も重要なコンセプトなのです。詳細は省きますが、BMLループのコンセプトにおいて個人的に何より重要だと考えるのが「顧客の課題に対する仮説」というフィードバックループの出発点だと考えます。

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すべての中心には顧客がいて、その顧客がこんな課題をもっているのではないか?その課題に対するソリューションとしてこういうものが良いのではないか。そういった仮説に対して検証するための必要最低限で作れるソリューション(MVP:Minimum Viable Product)を構築して、定量的に検証して、そこからの学びをまた次の仮説に活かす。

この仮説と検証、そしてそれを可能にする定量検証システム、つまりPOSを使ってこの顧客を中心としたカイゼンのフィードバックループをどこよりも早く、そしていまだにどこよりも力強く実践し続けているのがセブンイレブンです。セブンイレブンは1983年に業界ではじめて全店に本格的なPOSシステムを導入すると定量的な検証によって日々の発注精度を高めていきました。つまりこのBMLループをはるか30年近く前から繰り返しているわけです。

ここで、セブンイレブンから学ぶべき大事なポイントがあります。セブンイレブンの鈴木会長はこう言います。

「データから得られた売れ筋を発注するというのは大きな誤解。データはあくまで仮説を検証するためのものにすぎない。」

つまりこうです。

 × 昨日鮭おにぎりが他のおにぎりよりも多く売れた。だから明日の鮭おにぎりの発注量を増やそう。
 ○ 明日は近くで運動会がある、だからおにぎり全般がいつもより多く売れるはずだ、おにぎり全体の発注量を増やそう。

この場合データはあくまでおにぎり全般がよりたくさん売れるという仮説を検証するためのもので、仮説と定量的な検証があってはじめて学びがあり、より高い次元で次のBMLループを回せるというわけですね。

なぜ、セブンはビッグデータ分析する他社より日販が高いのか|PRESIDENT ONLINE

何でもかんでもデータを取れば良いというものではない。仮説なきデータに意味は無く、仮説なき定量検証に学びは無いという強烈な教訓です。

また、鈴木会長はこうも表現します。

「昨日の顧客が求めたものを、明日の顧客に出してはならない。毎日来店されるお客様の心をいかにつかんで、昨日ではなく明日の顧客を満足させるか。」

Analyticsの数字を見ながら、KPIが順調に伸びていてもそれで満足していては中長期的な成長はできません。数字から読み取れるわずかな兆しや、むしろ数字に表れないようなことから「筋の良い仮説」を立てる力が、我々には求められています。

この仮説→発注→定量検証→学びというループをセブンイレブンでは「単品管理」と読んでおり、これを全店舗、全店員レベルで徹底しています。もちろん高校生のアルバイトでもこの単品管理を行ったりするわけで、それぞれの店舗をしっかりサポートするOFCという店舗マネージャー社員がこの単品管理というリーンスタートアップの根幹をなすコンセプトを全国16,000店舗全店に日々浸透させていっているわけですね。これがセブンイレブンのオペレーションの強みのひとつで、16,000全店舗がそれぞれの地域の異なる顧客に対して日々BMLサイクルを回して最適化し、それぞれの店舗が顧客最適化を繰り返しています。それも、かれこれ30年近くおこなっているのだからその蓄積たるや想像を絶します。

最後に繰り返しになりますが、「仮説」が無い検証やデータに意味は無い。優れたBMLのループの実践に必要なのはサイエンスですが、筋の良い仮説を立てるために必要なのはサイエンスよりもむしろアートでしょう。自社の競争環境、業界のトレンド、ユーザー心理、そしてもちろんそれぞれを裏付けるデータの数々。そこからいかに優れた「仮説」を導き出せるか。そしてその仮説を検証する仕組があるか。我々に必要なのは絶え間ない仮説→BMLループの探求ですね。

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年頭に刻み込むジョブズの金言〜from lost interview 1995〜

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新年明けましておめでとう御座います。

年末に遅ればせながら「ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995」をiTunesで購入してiPhoneで観ました。
1995年と言えばマイクロソフトがWindows’95を発売し、全日本プロレスは四天王全盛期、三沢最強時代です。F-1界では前年にスーパースターのセナが亡くなり、その穴を必死で埋めてF1サーカスを盛り上げたM・シューマッハの黄金期の始まりの時代ですね(頑張れシューマッハ!!)。

さて、そんな時代にNeXT社でそれなりに頑張っていた頃のジョブズの貴重なインタビュー。今の時代を生き抜くための普遍的な金言たっぷりだったので、自分への新年の戒めのためにもいくつかポイントをまとめてみたいと思います。

優れた芸術家はコピーし、偉大な芸術家は盗む。

「未来の正しい方向をどのように見定めるのか?」という質問に対して、それには正しいセンス(Taste)が必要だ、そして人類が生み出した優れたものに触れて、自分のしていることに取り入れるべきだと。そこで出て来たのがこの言葉。
ここで大事なのが、単純に優れたアイディアやデザインを同業からコピーしたり盗んだりすることが大事だと言っている訳ではないということ。実際Macが素晴らしい製品になった要因として、コンピューター科学で屈指のメンバーが、音楽や芸術など様々な良質なものに触れた幅広い知識を持っていたからだと説明しています。例えば、美しい車のデザイン、小売業界で勝ち続ける企業の強さの秘訣、熱狂的な指示を集め続けるアーティストのライブ体験。こういった良質な物に触れ、常に広い視野で問題解決に当たらないといけないですね。それがデザイン力を高めることにつながります。以前もブログで書きましたが、ジョブズはこうも言っています。

「この業界の人間はあまり多様な経験をしていない。だからつなぎ合わせる点の数が足らず、問題に対する幅広い視野が欠けた直線的な解決策に終わる」

ビジネスでは多くの物事が”言い伝え”により縛られている。

「21歳で成功して、会社経営/ビジネスはどのようにして学んだ?」という質問に対して。この話でキーとなるのが彼のコアとなる「WHY(なぜ?)」という問いかけ。ジョブズは少しでも納得いかないことがあると「なぜそうなんだ?」と突き詰める性格だったようですね。そうすると「ずっとそうだから」という答えが返ってくる、つまりビジネスの世界では物事が深く考えられていないんだなと。臆せず質問して懸命に働けばビジネスの心得は自ずと身に付くと彼は理解しました。確かに、よくよく考えると日々仕事をしていて、古い慣習で動いているものが多いですね。社会人としての経験が増えれば増えるほど、そもそもなぜこうなの?って気づく機会がだんだん減って行きます。すべてを合理的に片付けられるほと物事は単純ではないですが、「なぜ?」という気づきと、それを懸命に突き詰めていくというプロセスこそ、良い仕事、良いものづくり、良いデザインにつながるのだと思います。

人も会社も勘違いする、プロセスが中身(Contents)だと。

事業が大きくなると最初の成功を再び呼び起こそうとする。成功とはプロセスであり、それを社内で統一しようとする。そこで皆プロセスことが中身だと勘違いする。ここでジョブズが言う中身とは、突き詰めて言えば「その製品で解決しようとしている課題」だと思います。これを真に理解せずに、プロセスだけを重視しても良い製品は作れない。例えばマーケティング(プロセス)の人間が中身を理解していなければ、良いマーケティングは出来ないということですね。誰のためのどんな製品なのか、これを死ぬほど理解している人が今まで出会ってきた中で優秀な人財だとジョブズは言います。僕の敬愛するデザイナーの@mikihirocksは「課題がわかっていなければそれはデザインじゃない。課題は熟考じゃなく直感の中にこそある。」とも言っています。深すぎて気絶しそうですね。

他にも書きたいことはあるのですが、冗長になりそうなのでこの辺で。ともかく良いインタビューだったのでひたすら繰り返し聴いて、ことあるごとにIn Englishで皆さんに問いかけようと思います。

「WHY?」と。

スマートニュース株式会社にジョインしました。

sn

2013年12月16日(月)
スマートニュース株式会社にジョインしました。

巷は2013年のクロージングムード一色ですが、
ホノルルの風に後押しされつつ今まさに新たな1年が
スタートした気分で走り始めました。

「スマートニュース」はユーザーとしても業界の
人間としても愛してやまないサービスだったので、

「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」

というミッションのもと、世界中に愛されるサービス
に育てていく上で一翼を担うことができればと思います。

当面はグロース/マーケティング担当として、とは言え
幅広く活動して参ります。

まだ10名に満たない所帯ですが、その分自由に、
そして強い信念を持って突き進んでいきますので、
皆様宜しくお願いします。