世界でいちばん高い”30秒枠”で活用されはじめるソーシャルメディア最新事例

みなさんは世界でいちばん高価な広告枠と聴いてピンときますでしょうか?

広告業界に詳しい人や感のいい人は即答できると思いますが、アメリカ人が最も好きなスポーツ、アメリカンフットボールリーグ「NFL」のチャンピオンを決める一戦、「スーパーボウル」のCM枠がその答えのようです。30秒のそのCM枠、リーマンショックによって一時は販売不振や値引きなどがあったようですが一転V字回復し、今年の平均放送権料はなんと史上最高の$350万(約2億2700万円)に達したとのこと。放送料の記録更新が話題になったり、実際約1億人がスーパーボウルを視聴するなどのスケール感もあってか、毎年価格が上がり続けています。ただし、昨今の放送料高騰の背景には、どうやらソーシャルメディアの台頭が大きく寄与しているようなのです。

 

最も有名なスーパーボウルのCM “1984”

こういった高騰の背景は知らなくても、このCMは知っている!という方は多いでしょうね。言わずと知れた1984年に発売されたAppleの「Macintosh」のCM、”1984″。IBMという巨人に立ち向かうAppleという構図をセンセーショナルに表現して話題を集めましたが、それだけこのスーパーボウルというのがアメリカ国民にとって特別であり注目が集まる祭典ということです。これが契機となりAppleは一躍注目を集めたという逸話が残るくらい、このスーパーボウルのCM枠に様々な伝統と価値がある訳ですね。

 

2011年に最も注目を集めたCM “The Force”

まさにこのパパ層にぴったりハマる、最高に心暖まるフォルクスワーゲンのこのCMは、2011年カンヌ広告祭の受賞作品にもなっています。ただし、内容よりも評論家の評価よりも注目すべきなのがyoutubeの再生回数で、現在なんと約5000万回。ここに、今ソーシャルメディアに注目が集まる要因があります。昨年のスーパーボウルから約1年がたっていますが、こうやって紹介されることによってまたfacebookやtwitterなどのソーシャルメディアによってこの”広告”が広がり続けています。

 >> VW’s “The Force” Super Bowl Ad Goes Viral

つまり今まではその伝統と瞬間最大風速に注目が集まっていましたが、今はCMを打ってからのソーシャルメディア上の広がりというのがこの30秒枠の価値を押し上げています。良いコンテンツはソーシャルメディア上の口コミによって長く大きく広がっていくことを考えると、今のスーパーボウル枠の役割は拡散への大きなキッカケづくりということでしょうか。

ちなみに、フォルクスワーゲン昨年の流れを受けて今年の新作はこちら。

 

2012年、さらに進化する”ソーシャル”を活用した取り組み

そういった背景を受けて、今年はソーシャルメディアやスマートフォンアプリを活用したよりインタラクティブな仕掛けがいくつも予定されています。コカコーラは専用Webサイトを用意し、CMに登場するキャラクターと連動する形でfacebook、twitterを活用してユーザーと対話するコンテンツを用意しているそうです。

Shazam

中でも注目なのが打倒コカコーラのペプシコによるCM。どうやらあのスマートフォンアプリ「Shazam」を用いてインタラクティブなキャンペーンを実施するそうです(Shazamは現在1億7500万ダウンロードを記録しているそう)。具体的には、人気オーディション番組「Xファクター」の優勝者がCMの楽曲として使用され、それをShazamで音声をスキャンすると特設ページにアクセス、そのパフォーマンス動画をダウンロードできるという仕掛け。実はこちらの記事(from Mashable)にもある通り、Shazamはすでに同様なキャンペーンでの実績があって今回スーパーボウルという晴れ舞台をゲットした模様です。また、メディアチェックインという概念では今年大きくブレイクしそうなGetGlueもチェックインキャンペーンを実施する模様、こちらも楽しみ。

消費者調査の結果、今年は約60%の視聴者がスマートフォンやタブレットなど、”セカンドスクリーン”を活用しながらスーパーボウルを楽しむとのデータもあるみたいです。さすが、こちらは本当に進んでいる。伝統のスーパーボウルのCM枠に、こういったソーシャルメディアやスマートフォンアプリ、そしてセカンドスクリーンのような概念が登場していることに、大きな期待と希望を感じずにはいられません。ただし、こういったソーシャルメディアや新しい技術を活用する上で、どこまでいっても大事なのは「伝えたいメッセージや目的が何なのか?」という点であり、”30秒の映像作品”というキラーコンテンツであり、ソーシャルメディアそれ自体が何か魔法を持っているわけではないという点は忘れてはいけませんね。

今年のスーパーボウルは2月5日。とは言えソーシャルメディアやスマートフォンアプリが実際どのような実績を残せるか、非常に楽しみです。良いネタがあればまたSymsonicでレポートします。

 

最後に、既に話題になっている今回放映予定のAudiのCM。ちなみに私はこのCMをPiterestで知りました。こういった新たなサービスが、2012年コンテンツの”ソーシャルメディアドライブ”を加速させますね。

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